鵞足炎 〜宇都宮 雀宮 針ヶ谷〜
鵞足とは、膝の内側から5cm下に位置する部位で、ここには
縫工筋・半腱様筋・薄筋の腱が付着しています。また、鵞足には
滑液包というジェル状の組織が存在し、腱と骨との間に起こる摩擦を
軽減しています。ランニングやジャンプ動作などの膝の屈伸による摩擦が繰り返されることで、
腱や滑液包に炎症が起きて痛みが生じるものを鵞足炎と呼びます。
股関節や太ももの筋肉の柔軟性が低下すると、腱の動きが硬くなり、
腱同士や滑液包との摩擦が生じやすくなります。
そして、転倒や接触などで膝の内側を強打することにより、鵞足炎につながるケースもあります。
症状としては鵞足部に圧痛や腫れ、突っ張り感を生じます。特に接地する時に鋭い痛みを
感じたり、膝を曲げ伸ばす際に引っかかるような違和感を覚えることがあります。
初期では、運動開始時に軽い痛みや違和感があるものの、ウォーミングアップで
体が温まると楽になりますが、繰り返し運動をすると徐々にまた違和感が現れます。
症状が悪化すると、体が温まっても違和感が消えず、安静時でも痛みを感じることがあります。
鵞足炎はオーバーユースによる滑液包の炎症のため保存療法が中心となります。
痛みが出る動作は避けて患部を安静に保ち、熱感や腫れがある場合はアイシングをします。
筋肉の柔軟性を戻すために股関節や太ももまわりのストレッチをして筋肉を緩めていきます。
また、低周波電気や超音波などの物理療法により炎症を抑え、血流を促すことで患部の治癒を
早めることができます。
予防や症状を悪化させないためにも日々のセルフケアが大切です。
特に鵞足炎では内ももの筋肉のストレッチを定期的に行うことで症状の改善が可能で、
疲労の蓄積を見極めてオーバーユースを防ぎます。さらに膝の内側に負担がかからないように
するために筋力トレーニングも一緒に行うことで痛みが出にくい状態を保つことができます。
膝の内側の痛みを感じた場合は一度ストレッチなどを見直してみましょう!