腰椎椎間板ヘルニア 宇都宮 針ヶ谷
こんにちは!
今回は以前当ブログでも取り上げさせて頂いた、腰椎椎間板ヘルニアについて改めて解説していきます。
腰椎椎間板は腰椎の間をつなぐクッション材としての役割を担う組織で、中心に髄核というゲル状の組織があり、髄核を取り囲む様にコラーゲンを豊富に含んだ繊維輪という膜状の組織が何重にも覆う形で構成されています。仕事、スポーツ、日常生活動作や骨盤の歪みによる姿勢不良などの原因で腰部、腰椎椎間板に負荷が繰り返しかかると繊維輪は少しずつ、亀裂が入る様に傷ついていきます。亀裂に沿う様に髄核が正常な位置から外へ飛び出してしまう傷害を『腰椎椎間板ヘルニア』と言い、飛び出してしまった髄核が近くにある神経を圧迫し、神経が炎症を起こすことで、神経の走行に沿う様に痛みや痺れといった症状を起こします。
また、髄核が完全に飛び出さずなんとか繊維輪によって押し留められてはいるものの椎間板が膨れた状態となり、膨れた椎間板が神経を圧迫するケースもあります。こちらは『腰椎椎間板症』『変形性椎間板症』と呼ばれます。こちらの傷害も広義の『腰椎椎間板ヘルニア』に分類されます。
いずれの障害も少し古い文献を参照すると、好発年齢は20代〜40代と、比較的若い年代で記載されているものが殆どです。
しかしここ数年、当院にご来院される50代半ば〜後半の患者様で
「整形外科で椎間板ヘルニアと言われたのだけど」
と仰る方が数多くいらっしゃいます。
お持ち頂いたMRI画像を拝見すると、確かに骨棘などは見当たらず椎間板が神経を圧迫してしまっている!
同時に腰椎椎間板ヘルニアを発症していない箇所では椎間板がしっかり、厚みを保っていることに驚かされます。
近代の日本人のライフスタイルの変化、スポーツ前後でのケアの重要性の浸透、健康意識の高まりにより、ひと昔前と比較し好発年齢が変動している印象を受けますね。併せてこの十数年で大きく変化したのが整形外科等の病院での処置法です。
以前は腰椎椎間板ヘルニアの様に画像診断上、問題があるものに関しては即手術!が鉄板でした。
近年ではヘルニア部分が腰椎1個分以上に相当する『巨大ヘルニア』や、排尿排便のコントロールが困難になる『膀胱直腸障害』の様な重篤な症状が現れていなければ手術を行わず、保存療法での処置となるケースが多くなってきている様です。
ここで問題となってくるのが保存療法の方法です。
神経を圧迫してしまっている髄核、椎間板は湿布を貼り内服薬を服用しているだけでは、正しい位置に戻ることは決してありません!
また、ネット上のサイトに多く記載されている腰痛改善体操は、症状を改善するどころか、かえって悪化させてしまう物もある為、素人判断で行っていくのは大変危険です。
当院では腰椎椎間板ヘルニアに対して、トムソンベッドという特殊なベッドを使用し、飛び出してしまった髄核、椎間板を正しい位置に戻していく治療を行います。同時に腰椎を支える土台である骨盤の歪みと、歪みの原因となる筋肉に対し検査、評価を行い必要に応じて治療する事で症状を早期に改善し、腰椎椎間板症を繰り返さない、再発させない身体づくりを行っていきます。